CBCラジオ「健康のつボ~乳がんについて~」 第2回(令和3年7月14日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~乳がんについて~」 第2回(令和3年7月14日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、鈴木瞳医師(一宮西病院 乳腺・内分泌外科 医長)

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(小高)今月からこの時間は『健康のつボ~乳がんについて~』です。女性であれば誰でも気になる「乳がん」について、一宮西病院 乳腺・内分泌外科 医長で「乳腺専門医」の鈴木瞳(すずきひとみ)先生にお話をうかがっていきます。

(小高)日本人の女性のがん患者の中で一番多いのが「乳がん」です。

(つボイ)女性の方は気になりますよね。メッセージもいただいております、R.N豊橋の友ちゃんから。「1978年、45歳の母を乳癌で亡くしました。どんなに初期でも全摘出しかなく・・・術後のサポートも当時は無く、何より検診も無かった。以降検診が普通にできるようになって罹患しても5年生存率はぐんと上がっているのに、日本では海外諸国に比べてなかなか検診率が上がらないと聞きます。あれから40年を超えるのにそれでは悲しいです。今月はよりしっかり聞きます!」という・・・お身内でこういうことがあると、関心高まりますね。

(小高)そうですね、現在は手術はもちろん、治療法も、そして検査体制も充実していますから・・・豊橋の友ちゃんが言うように上手に利用して、早期発見に努めたいですね。さて今日は「おっぱい」です!「乳房の構造」と、そこにできる「がん」についてお話を聞いていきます。鈴木先生です。

 

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(鈴木)乳房は、母乳を作る「乳腺」と、それを包む「脂肪組織」からなり、「大胸筋」という胸の筋肉で支えられています。乳腺組織は15~20の腺葉(せんよう)に分かれ、さらに多数の小葉(しょうよう)に枝分かれしていて、ここで乳汁(にゅうじゅう)が作られます。そこから乳汁を乳頭(にゅうとう)に運ぶための細い管が出ており、少しずつ合流して1本の管となり乳管(にゅうかん)となって乳頭に向かっています。

(小高)という構造なんですね。そんな乳房での病気で代表的なのが『乳がん』なのですが、『乳がん』について詳しく教えて頂けますか?

(鈴木)はい。乳がんは、乳腺の組織にできるがんで、その多くは乳汁の通り道である乳管から発生しますが、一部は乳汁を産生している小葉でも発生します。

(小高)ちょっと場所が違ったりするんですか?

(鈴木)そうですね、通り道にできるのか、産生している部分にできるのか、という違いで発生する部位が違ってきます。

(小高)そうなんですね、それにしても乳がんってよく聞きますよね。周りの人で1人くらいは大体いる気が・・・

(つボイ)リスナーさんでも「手術受けました」「治りました」って方、沢山お便り頂いてます。

(鈴木)乳がんは女性のがんの中で最も罹患数の多いがんでして、 全てのがんの中でおよそ2割を占め、人数的には日本人女性の9人に1人が罹患します。7人~8人の欧米の数字に近づいています。年間10万人が新たに診断を受けている計算できていまして1980年代に比べると乳がん患者さんは3倍に膨れ上がっています。

(小高)9人に1人ってすごく多い印象です・・・。だってクラスの半分が女の子だとしてもクラスに1人以上はいるっていう事ですよね。

(鈴木)そうなりますね。

(小高)年齢層でいくと、どのあたりが一番多くなってくるんでしょうか?

(鈴木)特に30代から40代の若年層で急激に増えてきておりまして、一般的に他のがんって60代以降で増えていくので、他のがんとちがう性質が見受けられます。

(小高)他のがんより若い層から増えていくんですね。

(鈴木)そうなんです。

(小高)うう~~ん、ただつボイさんもさっき言ってたように、乳がんになったけど、今は手術して元気です!っていう人も物凄く沢山いる印象なんですが。

(つボイ)リスナーさんでも元気になられた方、沢山いらっしゃいますよ!

(鈴木)そうですね、死亡者数で見ると、大腸がん、肺がん、結腸がん、すい臓がん、胃がんについで第6位で、死亡率はおよそ9%と非常に低いです。ですので罹患数が多いんですが死亡者数は少ないと言えます。これは初期で発見される患者さんが多いというのが一番の理由として挙げられると思います。

(小高)初期で発見される患者さんが多いというのは、検診で見つかることが多いんでしょうか?

(鈴木)そうですね、検診であったり、自分で触って分かりやすいところにあったり。

(つボイ)体の奥の方にある臓器とかではないですからね。

(鈴木)そうですね、はい表面にあるので。

(つボイ)乳がんは「自分で見つけることもできるがん」ってことですね!

(鈴木)そうですね。

(小高)その・・・早期発見というのは、どういう状態jの時に見つける事ができれば早期発見になるんでしょうか?

(鈴木)そうですね・・・乳がんの大きさと、脇の下のリンパ節への転移状況などから、癌のステージが決まります。乳管の中にとどまっていればステージ0、乳管が破れて浸潤しているが2cm未満のがんがステージ1と定義してまして、これらを早期がんと呼んでいます。

 

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(つボイ)乳がんの患者さんは増えているけど、亡くなる人は少ないんですね!

(小高)全症例でも10年生存率はおよそ80%あるそうですが、早期発見の場合は10年生存率が90%以上になるそうです!当然のことですが、ステージが進むに連れ10年生存率も悪化していく訳ですから、やはり乳がんも早期発見が大切!ということになります。乳がんはセルフチェックもできます。このコーナーでは、そういったことも鈴木先生に教えて頂きますので!今後もお聞き逃しなく!

 (小高)一宮西病院 乳腺・内分泌外科 医長の鈴木瞳(すずきひとみ)先生でした。『健康のつボ~乳がんについて~』でした。

 

◎第1回の放送内容はこちら

kyouryoukai.hatenablog.com