CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第7回(令和4年2月16日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第7回(令和4年2月16日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

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(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(小高)さぁ、先週からこの不整脈原因別に起こる不整脈の詳しいお話を聞いております。

(つボイ)はい。先週は洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)ついて教えていただきましたけどもね、これは心臓の“発電所”であるところの『洞結節』の異常でしたね。今日はどういうタイプの不整脈のお話になるでしょうかね?

(小高)はい!では、古川先生です。 

 

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(古川)本日も徐脈の1つで、房室ブロックというものをお話ししたいなと思います。その名前の通り、心房と心室の間で電気がブロックされる病気です。

(小高)心臓の上のお部屋(心房)と心臓の下のお部屋(心室)に…?

(古川)2つの部屋の間にある電気の通り道に、電気が通れなくなります。

(小高)あ!上の部屋から下の部屋まで電気が上手に伝わらないんですね。

(古川)そうです。

(つボイ)2階は電気がついていて、1階が真っ暗になるのかと思った。

(小高)うふふふふ!(笑)

(古川)そうです。

(小高)え!それでいいのか!!(笑)

(古川)そこの問題は、家だったら暗いだけでいいんですけど、心臓の場合は心室という全身に血液を送るポンプが動かなくなってしまうので。

(小高)ダメじゃん!

(古川)ただ心臓ってうまくできていまして、先週に洞結節は生まれつき持っているペースメーカーのお話をしたと思うんですけど、(房室ブロックによって)脈がすごく遅くなった場合、実は房結節自体が補助するようなペースメーカーとして働きだします。

(つボイ)第二のペースメーカー!?

(古川)それで死に至るということまでは至らないことが多いんですけど、ただ会社の組織で考えれば、洞結節は”社長”なんです。すごくよく働くし、ちゃんと動けば脈も上がるし、うまくちゃんとコントロールしてくれる。でも、“部長”である房室結節にはそこまでの能力はないんです。洞結節が脈を1分間に60から100ぐらい打つのに対して、房室結節は1分間に50ぐらいしか打たない。そういった十分な脈拍をあげれないという可能性はあります。

(つボイ)そこに治療が必要になってくるんですか。

(古川)そうなんです。脈が遅くなりますので、運動しても息が切れる、あるいは目の前が暗くなって意識が遠のきだす、最終的に失神してしまう・気を失ってしまう。そういったことが起こる可能性があります。

(つボイ)これも気を失ったりするんですね。

(小高)これはやっぱり何か他の心臓病に伴って、こういうことが起こったりするんですか?

(古川)はい。もちろん加齢による変性で、細胞が障害されてくるということはあるんですけど、この房室ブロックに関しては他の病気が隠れていることも多いんです。例えば心筋梗塞ですとか、心筋症という心臓の筋肉の病気ですとかが原因になって起こることもあります。

(つボイ)今2つ該当しています、私。高齢と心筋梗塞、2つのリスクをもっています。

(古川)心筋梗塞が起こった時になるものであって、心筋梗塞を過去に起こした人がなりやすい、という意味ではないです。

(つボイ)ちょっと1つリスク減りました。

(小高)これも徐脈だからペースメーカーで治療するんですか?

(古川)症状がある場合はペースメーカーが必要になってきます。ただ若い人に起こることもあるんですけど、若い人の房室ブロックというのは、若い人は自律神経が活性化していますので、そういったことで房室ブロックをきたすことがあるんです。それは全く治療も必要ないですし、普通の健康の人と同じような状態でもあるんですね。その人それぞれよって治療するべきかどうかは違います。

(つボイ)ペースメーカーで治療した際に、ブロックされているのにそこは電気が通るんですか?ブロックという言葉がちょっと気になるんですが…。

(古川)心房から心室電気が通らないわけですから、ペースメーカーは心房を刺激するのではなくて、心室自体を直接刺激します。ただ、心室だけを刺激すると、心房と心室の動きがバラバラになってしまうので、そこでペースメーカーはリードを心房にも心室にも入れるわけなんです。心房で出た電気をペースメーカーがキャッチして感知して、それに合わせて心室を刺激します。それによって心房⇒心室と順番にちゃんと動くようなシステムです。

(小高)よくいろんなグループとか団体の中で「あいつはペースメーカーになっている」とか言いますけど、『いろんなところをコントロールしてて、相対的にうまく動くようにする』というようなことなんですね。

(古川)そうですね。できるだけ生理的な状況を目指すというのが、ペースメーカーの役割でもあります。

 

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(つボイ)改めて不整脈にもいろんな原因がありますね。

(小高)そうですね。そしてそれによって治療法も変わってくるということも教えていただいております。来週も古川先生に不整脈について教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

 

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