CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第10回(令和4年3月9日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~不整脈について~」 第10回(令和4年3月9日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、古川善郎医師(一宮西病院  不整脈センター センター長)

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(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~不整脈について~』。一宮西病院 不整脈センター センター長の古川善郎(ふるかわ よしお)先生にお話を伺っております!

(つボイ)はい!先生にはね、不整脈のいろんな種類を教えていただいていますよね。

(小高)不整脈というのは“正常でない脈を打つ”、これが不整脈。でも時々起こる期外収縮(きがいしゅうしゅく)と呼ばれるものは特に治療する必要があるわけではないということでしたよね。しかし、脈が遅くなる「徐脈」と脈が早くなる「頻脈」、どちらにも治療が必要な不整脈はいろいろあるということも教えていただきました。今日はそうした不整脈の中でも死に至る可能性の高い、つまり一番怖い不整脈ということですよね。これを教えていただきます。

(つボイ)ちょっと怖い話ですが、勉強しようと思います!

(小高)古川先生です。

 

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(古川)怖い不整脈、特に突然死をきたすような不整脈として「心室性」の不整脈というものがあります。

(小高)心室…心臓の下のお部屋ですよね。

(古川)そうですね。心室というのはポンプとして働いているところでして、この不整脈が起こるとポンプとしての機能が破綻することによって、失神するですとか、それが長く続くと突然死ってことが起こる可能性のある不整脈です。

(つボイ)心房性よりも心室性のほうがビックリせないかん話ですかね。

(古川)まぁ怖い不整脈は含まれています。不整脈の種類というのは、心房が原因のものだと、単発の「期外収縮」、ちょっと心拍が早くなる「心房頻拍」、さらに速くなる「心房細動」の3つを紹介したと思うんですけども、心室(が原因のもの)も一緒で、単発の心室性期外収縮心室頻拍」さらに早い心室細動の大きく3つに分かれます。

(小高)まず一番怖いのはどれですか?

(古川)特に怖いのは心室細動だと思います。心室細動のことを考えるには、まず不整脈だけでなくてベースになる心臓の病気を考える必要があります。例えば心筋梗塞とか、心筋症といって心臓の機能が悪くなった人、そういった人っていうのはこういった心室細動とか心室頻拍を起こして突然死する可能性も出てきますね。

(小高)別の心臓の病気を持っている人が、この心室細動という状況を引き起こしやすい、ということですか?

(古川)そうですね。ただそれだけじゃなくて、心臓自体はパッと見たら正常なのに心室細動を起こすような疾患(病気)もあります

(つボイ)あらま!

(古川)それが、ブルガダ症候群というものがあるんです。これはエコーで心臓を診たときに、エコーは超音波で心臓の動きを見るもんなんですけども、心筋梗塞とか心筋症で心臓悪いと、心臓の動きが悪く見えるんですね。エコーで診てもまったく正常なのに突然死をきたす疾患としてブルガダ症候群は一番有名です。これは普通に撮った心電図でちょっとした異常がありまして、こういう人が多いというのは言われています。

(つボイ)それは健康診断とかそういうので見つかるわけですか?

(古川)ただそういう心電図の形がおかしいって言うだけでは、多く人は何も起こらないことがほとんどです。でも過去にやっぱり突然死をきたしかけて病院に来た人見ると、やっぱりそういった心電図が多かったりします。突然死まではいかなかったですけど失神して、途中で心室細動が止まれば目が覚める・あるいは意識は戻るわけですから、そういった失神という前段階を経ることもあるので、そういう人は要注意になってきます。

(小高)心室細動で突然死する場合もあるって先生をおっしゃってましたけれども、その心室細動の危険性がありそうだなとか、心室細動にちょっと気をつけた方がいいですよっていうのは多分心電図を測ったり健康診断なんかでわかるんでしょうけど、それでも心室細動にバーンってなっちゃったらもう救急車で運ばれるとかそういうレベルのものそうなんですか?

(古川)そうですね。救急車で運ばれて蘇生するという方もいっぱいいらっしゃいます。けれども、まずはやっぱりそういったリスクを考えて前もって対応するっていうのが重要なことかと思います。

(小高)じゃあ、そういった危険性がある人は、しっかりとお医者さんに診てもらわないといけないということですか。

(古川)はい。あともう1つ最初に言った「心室性期外収縮」、これに関しては多くの場合は突然死につながることはほとんどないと思います。単発の場合はそんなに心配することはないんですけど、中には心筋梗塞があったとか、心筋症があったという方もいらっしゃいますので、そういった方はやっぱりエコーをとるですとか、一度精密検査をした方がいいのかもしれません。

 

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(つボイ)気をつけないかん、ということですね!

(小高)そうですね。心室性の不整脈というのはちょっと気を付けたほうがいいかもしれません。来週はそんな心室不整脈の治療法を古川先生に教えていただきます。『健康のつボ~不整脈について~』でした。 

 

 

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