CBCラジオ「健康のつボ~前立腺がんについて~」 第9回(令和3年3月3日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~前立腺がんについて~」 第9回(令和3年3月3日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、永田大介医師(一宮西病院泌尿器科部長)

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(小高)水曜日のこのコーナーは「健康のつボ~前立腺がんについて~」昨今、日本で、罹患数増加が最も著しいと言われている「がん」、「前立腺がん」について、一宮西病院 泌尿器科部長の 永田大介(ながただいすけ)先生にお話をうかがっていきます。

(小高)ここ2週間、腹腔鏡下手術を中心に、手術療法について詳しく教えて頂きました。

(つボイ)永田先生がご専門の腹腔鏡下手術は低侵襲で身体に負担が少ないということで、患者さんにとってもうれしい限りですよね。

(小高)前立腺がんの根治を目指す積極的療法は、手術療法以外の治療法もあるということです。では今週も永田先生にお話を聞いていきます!

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 (永田)前立腺がんの積極的治療法は『手術療法』と、もう1つは『放射線療法』です。この2本立てが積極的な治療法の柱ですね。

(小高)放射線治療というのは具体的にどのように・・・?

(永田)前立腺放射線をあてるというプランになるんですけど、まず放射線治療をやると決まった患者さん達を3つのグループに分けるんです。1つは「再発しにくい」グループ、もう1つは「すごく再発しやすい」グループ、そしてもう1つは「その中間くらい」のグループです。

まずは「再発しにくい人」は放射線治療単独での治療が可能ですけれど、「再発しやすいという人」は、ホルモン治療を半年ほど行ってから放射線治療を開始するなどしています。ホルモン治療の期間は長い方で~2,3年という方もいらっしゃいますね。

(小高)放射線治療って、一体どのように治療するんでしょうか?

(永田)病院内に『放射線治療室』というのがあって、ベッドに横になって「今から当てますね~」と声かけられてから10分位で終了です。

(つボイ)10分ですか!?

(永田)1回10分ですね。

(つボイ)それをどの位繰り返すんでしょうか?

(永田)放射線の種類によって違うんですけど、一般的な病院は『X線放射線治療』と言われる、専門用語でいうと『IMRT』と呼ばれる治療法が一般的です。これは30~37回ほど。途中海外旅行などで一定放射線をあてない期間があってもOK。決まった回数は全部こなして下さいねというものです。

(小高)放射線をあてる時は、痛さや辛さ、苦しさなどはあるんでしょうか?

(永田)ほとんどありませんね。

(小高)よく、がんの治療と聞くと、「気持ち悪くなる」「髪が抜ける」などの声も聴きますがそういうものもありますか?

(永田)ないですね。あとは放射線の種類で、もう1つ。ここ名古屋なので『陽子線(ようしせん)治療』というものがあります。1つ小さい原子炉を持ってこないとできない治療です。

(つボイ)「名古屋なので~」と仰られてましたが、全国どこにでもあるものでもない物なんでしょうか?

(永田)患者中部地区、関東地区それぞれのエリアに1~2個ですね。一般的な『IMRT』に比べて精度が高く治療ができるので、1回に当てれる放射線量が増やせるんです。通院期間も1ヶ月半~2ヵ月ではなく3週間位に短縮ができます。

(小高)効率的にできるということですね。

(永田)そうですね、12回でできるという事ですね。

(つボイ)実際、治療費なんかはかなり・・・。

(永田)そうですね、治療費はすべて(IMRTも陽子線も)高額医療になってしまうので。

 (小高)お腹に高額医療保険に入っておかないといけないですね。

(つボイ)ね、古い保険だと「見直して下さい」という。

(小高)(永田)(笑)

(小高)日々そうやって新しい治療が出来ていて、より良い治療法というのが開発されて、選択肢も拡がっているという事ですね。

(つボイ)放射線の話ばかりになりましたけど、ホルモン治療とかね。

(永田)なホルモン治療はどちらかと言うと「完治・積極的な治療」というより「抑え込むだけの治療」なので、いずれ薬が効かなくなってきちゃう時が来るかと。大体5年で半分くらいの方が効かなくなってくると言われているので、ホルモン治療だけだと少し弱いかなと。

(小高)やはり先程のお話にもあった通り組み合わせたりして治療を行っていくのが通例でしょうか?

(永田)そうですね。

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(小高)良かったですね。放射線治療は寝っ転がっているだけで、痛くも、かゆくも、熱くもないそうですよ。

(つボイ)あてる放射線の種類によって、通う日数が違うと。

(小高)そうですね。

(つボイ)1回の放射線治療の時間はいずれも10分程度と短くて済むので、仕事をしながらでも可能な治療法ですよね。

(小高)通院するだけですね。でもこういった治療法が選択できるのは「早期発見の場合」ですよね。なので「早期発見」が本当に大事。「早期発見」のための「PSA検査」がホントに重要になってきます。

来週も永田先生に、前立腺がんについてうかがっていきます。

『健康のつボ~前立腺がんについて~』でした♪

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