CBCラジオ「健康のつボ~頭痛について~」 第4回(令和6年7月24日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、山口啓二医師(一宮西病院 副院長 脳神経内科部長)
(小高)毎週この時間は「健康のつボ~頭痛について」、怖い頭痛の見分け方、つらい頭痛の治し方について、一宮西病院 副院長 脳神経内科部長の山口敬二先生に教えていただきます。
(つボイ)脳にダメージが生じるような頭痛は、「危険な頭痛」ということでしたよね。
(小高)そんな危険な頭痛の原因はどのように調べるんでしょうか?
今日は「頭痛の検査」についてお聞きします。山口先生です。
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(山口)やはり、まず検査をしてみるということになるんですが、実は検査にもいろいろなものがあるので、どんな検査をやるかというところから決めていかないといけません。どのような検査をどのような緊急性を持ってやるかということが非常に重要になりますので、どういう検査で診断がつくか、症状から推測して、その検査を早くやるかどうかを判断していくわけです。
(つボイ)(小高)はい。
(山口)これは緊急性の判断と言いますが、そのような検査の中で、大部分は頭のCTやMRIで検査を始めるのが一般的です。外から見てもわかりませんので、本当に何もないかどうかは、これらの検査をしないとわかりません。
(つボイ)中がどうなっているかということですね。
(山口)そこで脳の中に何か問題があれば「器質性の頭痛」と言いますが、もしも異常がない場合は、病気の経過や症状を問診で確認して、頭痛の特徴を確認した上で、診断基準に基づいて頭痛を分類して原因を突き詰めていくという流れになります。
(小高)その頭の中を見るというところで、今先生がおっしゃったCTとMRIがありますが、頭の中を見てくれるっていうのは何となくわかるんですけど、どんな違いがあるとか、何が違うとか、どっちがどうとかってのはあるんですか?
(山口)ありますね。CTは何と言っても検査の時間がすごく短くできるんです。だから、緊急で対応しなきゃいけない時は、CTを真っ先に考えます。しかしながら、CTというのはMRIと比べて問題点がいくつかありまして、被爆してしまうというところが一つ、安易に何回もやるわけではいかないということになります。あとは何と言っても決定的に解像度が違います。
(つボイ)(小高)ほぉ~。
(山口)MRIのほうが圧倒的に詳しいところまでわかるので、細かい病気がないかどうかしっかり見ていくにはMRIの方がいいです。特にMRIという検査で、MRAという血管を調べる方法もありますので、CTではわからないような血管の異常まで診断することができます。
(つボイ)(小高)はい。
(山口)大変危険な頭痛で、くも膜下出血がありますが、これは脳動脈に動脈瘤というのができるものです。これをCTで見つけるのは結構難しくて、MRIでないと事前に見つけることができないので、やはり診断の能力という点ではMRIの方が圧倒的にいいです。ですが、先ほど言ったようにMRIの方が時間がかかるので、緊急での対応に向かないという点と、閉所恐怖症の方だったり、体の中に金属が入ってるとMRIが撮れないので、全員が全員撮れるわけではない。そういった問題点もあります。
(つボイ)私MRIの音が好きなんです。ガンガンガン、ギャンギャンギャン、あれ!音変わったぞとか思ってじっとしてるんです。
(山口)それはよかったです。(笑)
(小高)でもこれ悩みどころですね。早いのはCTだけど、詳しいのはMRIで、急ぐからCTをやった上で、もしかしたらMRIって、かなり時間がかかるけどやるのか、もうどうせなら最初から詳しいMRIをやっておいた方が最終的に2つやるより時間が短くて済むじゃんとか・・・