CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第8回(令和4年8月24日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第8回(令和4年8月24日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、澤﨑優医師(一宮西病院  ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長)、塩見啓一さん(アナウンサー)

(小高)水曜日のこの時間は健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長  心臓血管外科部長  弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる先生です。

(小高)弁膜症を中心に心臓の病気を教えてもらってるんですが、塩見さんは心臓は大丈夫ですか?

(塩見)それは大丈夫だと思いますけど、時々ドキドキっとしたりすると、あれ、これなんか大丈夫かな?って不安になることはありますよね。

(小高)そうですよね~。弁膜症シリーズの1回目に『大動脈弁狭窄症』のお話しをうかがったのですが、今日はちょっと違う『大動脈弁閉鎖不全症』についてうかがいます。

(塩見)しっかり聞きます!

(小高)澤﨑先生です!

 

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(澤﨑)弁というのはわかりやすく言うとバルブですよね。開いたり閉じたりして血液が逆流しなくなるようなシステムなんですけど、前にお話しした狭窄症というのは、狭くて血が出にくくなる。

今度は(大動脈弁閉鎖不全症は)大動脈弁が、なんらかの理由で変性したり、あるいは生まれつき2枚しかなかったり、きちんと合わなくて閉じる時にちゃんと閉じないと、血液が逆流しちゃうんです。これは症状が出にくくて、時間が経つと心臓の筋肉が弱くなってくるんですね。手術の適応を見極めるのが非常に難しい病気です。あと、飲み薬がわりと効くので、お薬で様子を見ましょうと言っているうちに、心臓の収縮・拡張を示す数値のイジェクションフラクションという数値が悪くなってくる。そして心臓が大きくなります。以前は人工弁しか治療法がなかったんですが、今は選択肢がありまして、実は私は20年くらい前から、大動脈弁の形成術もやってまして、長い方で20何年経ってますから長持ちするんですね。

(小高)形成術というのは、具体的にどういうことをしているんですか?

(澤﨑)大動脈弁の正常なものは3枚の膜から出来ていて、そのうちの大抵は1枚が変性して合わさるところがでろ~んと落ちてきちゃう。

(つボイ)はいはいはい。

(澤﨑)そしてそれを計測して同じ高さになるようにする。

(小高)本来の位置に戻すという…。

(つボイ)でろ~んとなるのを元にぐっと戻すというのは、わかりやすく言うとどこをどうすると?

(澤﨑)あのね、たるんだところの真ん中を細い糸で縫うんですね、何針か縫ってくるとだんだん上がってくるんです。端っこだけ縫ってあると窪みができますでしょ?その弁と弁とが合わさる面が平滑になるように、そこも綺麗に形成してあげるんです。そうすると、変性している組織なんだけども長持ちするんです。

(つボイ)(小高)ほぉ~!

(澤﨑)逆流をし始めていると、弁はさらに変性をしてさらに落ち込んでいくんですけれども、形がいいと長持ちするんです。

(小高)今まではだからもう、弁っていうものは悪くなったら、ごそっと新しいものに人工弁に取り換えちゃいましょう!っていうのが主流だったんですけど。先生のお話聞いてると、そうではなくて上手に修理して元に戻しますよというやり方ですよね。

(つボイ)形を整えていくということですね。

(澤﨑)なぜだかわかりますか?

(小高)なんだろ、エコだから?違いますよね、そうじゃないですよね(笑)

(澤﨑)人工弁が完璧じゃないからなんです。

(つボイ)(小高)あぁ~!

(澤﨑)機械弁と生体弁の選択がまずあるでしょ?機械弁はワーファリンという血が固まらなくなる薬を一生飲まなければならない。

(つボイ)そういうリスクがありますよね。

(澤﨑)生体弁は10年で壊れちゃう。

(つボイ)そういう短いリスクがある。

(澤﨑)それを超える手術を考える。自己弁(形成術)の場合それを超える可能性がある。

(小高)でもね、そうやってお聞きしてると、人工弁の場合はそれでも難しいんでしょうけど、それを入れ替えるということになりますけど、形成術でいうと非常にいいけれども、やってくれる先生の技術によって全然違うってことになりますもんね。

(澤﨑)まぁたぶんそうです。ただ、やりましょうという先生は、かなり自信があると思うんですね。形成できなかったら人工弁にすればいいんだもん。それで標準ですからね。形成できたらそりゃしめたもんですよ。形成できるものを人工弁にする必要ないですよね。

(つボイ)どの先生に出会うかやな。

(小高)それもありますね。(笑)

(澤﨑)今のは非常に大事な話で、セカンドオピニオンという論理ですね。少なくとも2人のドクターの意見を聞いて、自分の病気について知ることは非常に大事。どんどん質問しましょう。

 

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(塩見)なるほど、セカンドオピニオンが大事なんですね。

(小高)そうです。そしてやっぱり、どんな先生に巡り合うかということも重要なんですね~。はい。今日は澤﨑先生に大動脈閉鎖不全症の形成術についてうかがいました。

(小高)そしてこの『健康のつボ』では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(塩見)はい、質問お待ちしております!

(小高)『健康のつボ~心臓病について~』でした。 

 

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