CBCラジオ「健康のつボ~心臓病について~」 第9回(令和4年8月31日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、澤﨑優医師(一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長)
(小高)水曜日のこの時間は『健康のつボ~心臓病について~』。適切な治療を行わなければ死にも直結する心臓病について、専門の先生にお話をうかがっています。一宮西病院 ハートセンターセンター長 心臓血管外科部長 弁膜症センター長の澤﨑優(さわざき まさる)先生です。
(小高)心臓のいろいろな病気について教えてもらっています。
(つボイ)心臓の弁の場所や病気によっては、人工弁に付け替えるのではなく、自身の弁を利用して治療する弁形成術も有効だということでしたね。
(小高)そうすると技術はいるんですけれども、血液が凝固しやすくなることもなく、劣化による再手術の必要性もないなど、術後の経過に関しては極めて優秀な手術法だそうです。
(小高)今日は、大動脈基部拡大の手術についてお聞きします。
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(澤﨑)大動脈というのは直径3㎝くらいの土管があって、その下に少し盛り上がった部分があって、そこをバルサルバ洞って言うんですね。そこに大動脈弁が3つくっついている。そして弁が開いたり閉じたりしている。これが、なんらかの理由で3㎝であったものが4㎝、5㎝と伸びていくと、大動脈基部がですね、土管じゃなくて洋ナシのような形に変わっていっちゃうの。
(小高)あぁ~、なるほど。
(つボイ)膨らんじゃうということ?
(澤﨑)そうそうその通り。そうすると、同じ血圧だと壁が太くなった方が圧に対して弱いですね、するとそこが破裂したり、そこから大動脈が裂けて乖離したりすることがあります。
(小高)怖い!
(澤﨑)あと3枚の弁は、基部が大きくなっても弁は大きくならないから、真ん中の隙間がだんだん大きくなって逆流をし始める。
(小高)ぶぶぶっと膨らんでくると弁は離れて行っちゃうから、きちっと閉まらなくなる。
(澤﨑)そうです。なんとか5㎝近くまではもってくれますけれども、それを超えてくるとダメですね。
(つボイ)うちの実家もそうやわ。建付け悪なってね。戸が閉まらんようになっちゃった。昔閉まっとったやつが。
(小高)ははははは。閉まるべき部分がしっかり閉じてないと、やっぱりいろんなところに不具合ができますよね。
(澤﨑)建付けとはちょっと違うんですけど。(笑)
(つボイ)あ、違う(笑)
(小高)自覚症状的にはどんな症状があるんですか?
(澤﨑)症状はほとんどでませんね。たまたま見つかることが多いですね。超音波またはCTで。
(小高)じゃあ健康診断とかそういうことですか?
(澤﨑)なんらかの病気でCT、あるいは超音波を撮って見つかる。
(小高)じゃあ、治療法としてはどんなものがあるんですか?
(澤﨑)これはね、昔と今と全然違います。悪いのは大動脈で大動脈弁じゃないでしょ?昔は大動脈と大動脈弁を一緒にして取っちゃうんですよ。心臓に血を送る冠状動脈は外しておいて、人工血管の中に人工弁を入れたものをあらかじめ作っておいて、それを心臓に縫い付けて、冠状動脈をまた人口血管に縫い付けるというベントール手術がスタンダードでした。現在でも基準となる手術です。
(小高)ごそっとっていうのは、ある意味簡単にわかりやすくってことですけど。