CBCラジオ「健康のつボ~子どもの病気について~」 第12回(令和5年9月20日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、元野憲作医師(一宮西病院 小児科 部長)
(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(つボイ)子どもが病気をするのはある意味、仕方がない面がありますけれども、子ども自身にとっても、そして病気で苦しむ我が子の姿を見たくないという親御さんにとっても、病気にならないのが一番だと思います。
(小高)ですよね~。子どもを病気にしないための予防法はあるのでしょうか?元野先生にうかがいます。
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(元野)病気ですと代表的なのはワクチンですけど、推奨されるワクチンはどんどん打って頂きたいと思いますし、怪我とかもそうですが異物を飲んでしまうとかああいったことも、お子さんが危険な環境にさらされていることから予期せぬ事故とかが起こってくるので、そこを気を付けていく必要があるかなと思います。
(小高)先生からすると、子どもを守るってことにおいて、何か気を付けてらっしゃることとか、ここのところは知っておいてもらいたいっていうような部分って何かありますか?
(元野)そうですね。子どもって体が小さいのはもちろんなんですけど、やっぱり(大人とは)視点が違うんで、興味を持つところもまったく違うんですよね。まさかこんなところへ行くなんて、まさかこんなことになるなんてっていうのを、実際に事故に遭われた親御さんがおっっしゃるのをすごく耳にするんですね。大変惜しいと思うので、ぜひ目線を揃えてもらって、ここも危ないかもしれないというか、よく自動車の教習所である「だろう運転ではなく、かもしれない運転をしましょう」というように「こうなるかも」と考えていくことが、ご家庭や近隣の遊ぶ場所とかで、お子さんに対してお子さんの目線で考えた時に、ここが危険なのかなと考えてもらえると予防につながるのかなと思いますね。
(小高)小児科の場合って大抵、保護者の方と患者になるお子さんと一緒に病院来るっていうことがほとんどだと思うんですけど、こないだ先生がおっしゃってた「not doing well」。親御さんが子どもの様子を気にかけて、なんかおかしいってことに気づいてもらいたいってところでいくと、親子関係がしっかり保たれていてこそだと思うんですが。最近なんていうか親子関係というところがなかなかうまくいってないような親子さんだと…
(つボイ)もっと言ってしまうと「虐待」とかね。先生たちも体の変化とか、よくニュースなんかでも病院の先生が体の傷を発見して通報するなんてことを聞いたこともあるんですけど。やっぱりそういったことも気を付けていらっしゃるんですか?
(元野)そうですね。実際「虐待」は目にしたことがあります。ただ「虐待」と言うと、その言葉のイメージが良くなくて、どうしても虐待をした方が悪い、”悪者”となってしまいがちなんですけど、例えば5歳の子がいるとすると、お父さんもお母さんも「親5歳」というか、親として5歳ということを考えると、子どもの成長とともに親の成長も必要になってくると思うんですね。そんな中で自分ひとりですべてのことを抱え込もうとすると、それだけでも大変な子育てに、ちょっとしたストレスが積み重なって大きな事故につながることもありうるので、助けを求めるというか、自分は今こういうことで困っているんだよ、苦しんでいるんだよってことを打ち明けられるような人であったり仲間であったり、そういった鍵となるような人がいると、もしかしたら最終的にお子さんを事故や怪我から予防するってことにつながるのかなって思います。
(小高)やっぱりお子さんとの関係をうまく保てなくて、本来はお子さんの様子を常に見ててすぐわかるって親御さんであればいいんだけど、なかなかそこがうまくコミュニケーションが取れてないと、お医者さんとしても実際どうなのかってことが聞き取れない部分って出てきますかね。
(元野)そこは例えばお子さんの身体からとれる情報だけじゃなくて、親御さんから頂ける情報はすごく鍵になるんですけども、一方で親御さんが先ほどおっしゃられた親子関係っていうのを、ほんとに難しいと思うんですけど楽しめているのかとか、正常な気持ち、穏やかな気持ちでお子さんに接することができているのかっていうのも、僕らは見つける必要があるのかな、見つけていくべきなのかなって思っていますね。
(小高)私たちが一般的に小児科さんで子どもの病気単にを治すっていうだけじゃない部分まで、今は先生たちも診ていかないといけない現実なんてのも実はあったりするんですね。
(元野)そう思います。
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