CBCラジオ「健康のつボ~子どもの病気について~」 第7回(令和5年8月16日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~子どもの病気について~」 第7(令和5年8月16日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、元野憲作医師(一宮西病院 小児科 部長

(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。

(小高)子どもの場合、どんな症状が出てもオロオロしてしまいますが、特に吐いたりした場合、もうどうしていいのかパニックになっちゃったりします。

(つボイ)うん、そりゃびっくりしますよねぇ!

(小高)そんな時は、すぐに病院に連れて行ったほうがいいのでしょうか?

元野先生に教えていただきます。

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(元野)まず何より見た目が派手じゃないですか。食べたものをガァーッと吐いてしまうとすごくびっくりされるでしょうし、お子さんの顔色も結構吐くと真っ青になったりとか、苦しそうになったりするので、あわてて病院にかかって来られる患者さんは多いかな思います。

(小高)(つボイ)うんうん。

(元野)実はそんな時にはどちらかというと落ち着いていただいていいのかなと思っていて、吐いたもので窒息するようなことがなければ、まずは落ち着いてお子さんの様子を見ていただければいいかなと思います。実は吐くという症状だけでは、病気の原因を特定するのは僕らも難しくて、あらゆる病気の初めの症状として『吐く』っていうのが結構あるんですよね。幸い『吐く』という症状は、ほとんどの場合24時間以内に治まることが多いんですよね。

(つボイ)はいはいはい。

(小高)あらゆる病気の最初の症状っておっしゃいましたが、わたしたちのイメージで吐くっていうと喉と胃、食道と胃って、そこの部分で吐いてるのかと思いますが…

(つボイ)胃が悪いんだと。

(小高)そうじゃないんですか?

(元野)もちろんそういう場合もあるかもしれませんけど、よく小児科で『胃腸炎』と言われたりすることがありますが。実際下痢がなくて“腸炎”って病名は付かないと思うんですね。

(つボイ)下痢が伴うと胃腸炎

(小高)吐くだけだと胃腸炎とは言えない?

(元野)言えないですね。『腸炎』って腸がむくんでて十分に水分や栄養を吸収できないと下痢になりまして、そうすると『腸炎』って病名になったりしますね。

(小高)なんとなくね、吐いてもまぁ病院行かなくてもいいかなって判断してても、胃腸薬、胃薬とか飲んどこうかとりあえず、なんて思ったりもしますが。そうでもないのか。

(元野)そうですね、薬でうまくいくっていうのは少なくて。やはり吐いた分、何かしら脱水とかがどんどん悪くならないようにする方法が必要かなと思います。

(小高)そっちのケアのほうが必要ですか。

(元野)そうですね。

(つボイ)やっぱり吐いた分だけ脱水症状を気を付けなければならない。

(元野)そうですね、実は1回吐くと脱水が心配なので、あぁこれは飲まなきゃ!ということで、すぐ水分を飲ませてしまう、そうするとあっけなくまた吐いてしまう。ということが繰り返されてしまうので、こういう場合僕らがお伝えしているのは、回吐いたら1、2時間少し休んでくださいとお伝えしていて、落ち着いたところで1回の量はすごく少なくて構わないので、体重にもよるんですけど、点滴するとはまた違うかもしれませんが、大さじ1杯とか2杯とか、それぐらいの量で全然構わないので試しに飲んでもらって、その後1時間経っても吐かなければ、それはうまくいってる(回復している)と思っていただいていいんじゃないかなと思います。

(小高)慌てて飲ませるんじゃなくて、ちょっと1時間ぐらいおいて、点滴くらいのイメージで少しずつスプーンかなにかで飲ませる感じがいいのか。それだとなんか、点滴お願いしますって言いたくなっちゃうんですが!

(元野)そうですね、僕らも点滴させていただくことは結構簡単ではあるんですけど、お子さんにとってはものすごくハードルが高いことになっちゃうので。痛いですしね。

(小高)そっかそっか、そうですね~。

(元野)もし自分の力で飲むっていうことができるならば、そっちのほうがもしかしたらいいのかなってところで、1時間に少しずつ飲んでいただくということをお勧めしていますね。

(小高)はい。吐いただけではそんなに慌てず、落ち着いて様子を見る。ただ、こういう症状が伴うとやっぱりお医者さんに行ったほうがいいというのはありますか?

(元野)飲めど飲めど吐くっていう状態ですかね。さっきお伝えしたように、時間をおいて少しの量から試してみるんだけども、それでも吐き続けてしまうということがあって、それこそ24時間経ってもまだ吐いてるよってことになった場合は、違う病気が他にあるんじゃないかなと僕らも心配になりますので、そういう時は来ていただいたほうがいいと思います。

(小高)まずは1回ちょっと落ち着いて、しばらく様子を見ましょうと!

(つボイ)うん!

(小高)これが大人の場合大事かもしれないですね。

(元野)実は親御さんが一番つらいかもしれないです。1時間ごとに少しずつあげるのも決して簡単なことじゃないとわかってはいるんですけど。

(小高)機嫌もそんなによくないはずですしね。

(つボイ)今日は慌てるな!ってことをよう覚えておいたほうがいいですね、先生。

(小高)そうですね。

 

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(つボイ)はい、子どもが吐いたからと言ってオタオタせず、まずはちょっと様子を見る。だいたいは24時間、1日ぐらいで治まっていくらしいですね。

(小高)そして、1~2時間経ってちょっと落ち着いて来たら、大さじ1杯から2杯ぐらいの水を与えて、それで吐かなくなったら、だいたい大丈夫かなと思っていいそうですよ。

(つボイ)逆に言えば、それでも吐いてしまう、24時間経っても症状が治まらなかったら、病院へ行くということでしたね!

(小高)子どものそれぞれの症状に対する知識を得ておくことは、いざという時に慌てずに対処できますね。来週も元野先生に子どもの病気についてお話をうかがいます。

(小高)さて「健康のつボ」では、いろいろな病気について専門家の先生に解説していただいております。みなさんもテーマとして取り上げてほしい病気や症状などがありましたら、このコーナーまでお寄せください。専門の先生に教えていただきます。

(つボイ)はい、質問お待ちいたしております!

(小高)『健康のつボ~子どもの病気について~』でした。 

 

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