CBCラジオ「健康のつボ~ひざ関節痛について~」 第11回(令和2年11月11日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、巽一郎医師(一宮西病院整形外科部長 兼 人工関節センター長)
(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~ひざ関節痛について~』。多くの日本人が悩んでいるひざ関節の痛みについて、一宮西病院・整形外科部長兼、人工関節センター長の巽一郎(たつみいちろう)先生にお話を伺っています。
(つボイ)ということで、メッセージをいただいていますのでご紹介しましょう。瀬戸の栗羊羹さん女性の方でございますけども、人工関節の話、出ておりますけども、母はね右ひざを4年前、今年左ひざを人工関節にしました。両ひざってことですかね。本当に膝が痛くて、歩けなかったり立ったり座ったりするのに不自由なことを感じてる人って、多いんですよね。
(小高)今の、瀬戸の栗羊羹さんのお母さまも受けられたという人工関節手術、先週は、そもそも人工関節とはどういうものなのかっていうことを巽先生に教えていただきました。で今日は、その人工関節を取り付ける手術についてのお話です。
(つボイ)人工関節の手術には、関節すべてを置き換えるという全置換術と、軟骨のすり減った片方だけを置き換える半置換術と、こういうのがあるらしいですね。
(小高)全置換術と半置換術、それぞれの手術は、どんな時に選択されるんでしょうか?
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(巽)膝っていうのは、骨と骨が合わさっとるんですけどね、その間につないでいる靱帯というのがあるんですよ。5本あるんです。内側靱帯、外側靱帯、で真ん中に前十字靭帯、後十字靭帯というクロスした靱帯があって、で一番前に大腿四頭筋があって、お皿がついてて、膝蓋腱(しつがいけん)があって、これが一番でかいんですけど、この5本があるんです。これを切らんとやれる方法が、半置換というのがあるんです。
(小高)半分置き換えるという半置換。
(巽)そう、膝の半分だけを人工関節に置き換える。難しいと言われるんだけども、これのほうが患者さんは術後、すごい自然な感じがする。特に真ん中にある前十字靭帯、後十字靭帯というのは、クロスしてるんですね。足ってグーって伸ばしたら、下腿は外側へクルっと回るんです。15~30度くらい。で今度グーって曲げてきますでしょ、ほいだら下腿は、内旋っていって内側に30度くらい回るんですよ。
(小高)カタイ?。
(巽)下腿っていうのは、膝から下のこと。やわらかいちゃう、かたい(笑)。そういうのが、十字靱帯のねじれで起こるわけです。だからこれを残すことで自然な感じがする。で、全置換の多くは真ん中の靱帯切ってしもうてね、患者さんの感覚としては、蝶番(ちょうつがい)みたいな感覚やって言う人がおるわけです。その回旋が起こりにくいから。回旋を起こす筋肉はほかにもいろいろあるんですけど、自然に近い、内側の悪いとこだけを治してるから、神さんのつくった膝に近い状態が再現できる。それが半置換。半分だけ人工関節。
(つボイ)ということはまず、(症状が)軽い方の人はまず半置換で、やるっていうことですか?
(巽)って、学会では言われていたんですけど、(症状が)重い人でも、靱帯が残っていれば、僕は積極的に半置換をやっているんです。なかなかそういうやり方でやってる先生は少ないんですけど。
(つボイ)でもやっぱり負担は少ないので、半置換のほうが良い?
(巽)みんな失敗が怖い、全部取って全置換で機械に入れ替えた方が失敗は少ない。せやけど、患者さんの自然な感じはちょっと損なわれる…っていうところですね。
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(小高)ちょっと専門的な言葉、医療用語みたいのが出てきましたけど。
(つボイ)可能な限り靱帯を傷つけずに手術することで、患者さんには術後、前の通り自然なね、動きが保たれるという、そういうことなんでしょうね。
(小高)症状の重いとか軽いとかもそうなんですけども、お医者さんからしてみても全置換のほうが失敗は少ないっていうのもあるんだけどね!って先ほども仰ってましたけどね。でも巽先生は、なるべく。
(つボイ)患者さんの自然な感覚を損なわないように、難しい手術にも挑戦していると、いうことなんでしょうね
(小高)来週も引き続き、この全置換術と半置換術についてのお話です。『健康のつボ~ひざ関節痛について~』でした。
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