CBCラジオ「健康のつボ~ひざ関節痛について~」 第6回(令和3年11月10日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~ひざ関節痛について~」 第6回(令和3年11月10日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、巽一郎医師(一宮西病院整形外科部長 兼 人工関節センター長)

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(小高)今日からこのコーナーは「健康のつボ~ひざ関節痛について~」。過去の放送の中でも反響の大きかった「ひざ関節痛」について再放送でお送りします。ご出演は、一宮西病院 整形外科部長 兼 人工関節センター センター長の巽一郎(たつみいちろう)先生です!去年の9月から12月にかけて放送した「ひざ関節痛について」の中からお送りしています。

(小高)巽先生はひざ関節手術の前にまずは3ヶ月ほど、ひざ関節痛の原因を取り除くための『保存療法』を取り組んでみようよ、とおっしゃいましたね。

(つボイ)はい!

(小高)で、その『保存療法』というのは3つのポイントがありました。

(つボイ)その①が「体重を減らす」。その②は「正しい歩き方」。そしてその③は、先週やりましたね、「大腿四頭筋を鍛える」です。鍛え方も先週やりましたね。

(小高)太腿の筋肉でしたね。保存療法はそれによって手術を回避できるケースもあるんですが、手術をするにしても手術後の経過をよくするために、やっぱりこの保存療法というのが必要ということでした。

(つボイ)そしていよいよひざの手術ということになりますが!

(小高)ひざに人工関節を取り付ける、という手術ですが、それには関節すべてを置き換える『全置換術』というものと、軟骨のすり減った片方だけを置き換える『半置換術』というものがあるらしいですね。2つ教えていただきました。全置換術と半置換術、それぞれの手術は、どんな時に選ばれるんでしょうか?

 

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(巽)膝っていうのは、骨と骨が合わさっとるんですけどね、その間につないでいる靱帯というのがあるんですよ。5本あるんです。内側靱帯、外側靱帯、で真ん中に前十字靭帯、後十字靭帯というクロスした靱帯があって、で一番前に大腿四頭筋があって、お皿がついてて、膝蓋腱(しつがいけん)があって、これが一番でかいんですけど、この5本があるんです。これを切らんとやれる方法が、半置換というのがあるんです。

(小高)半分置き換えるという半置換。

(巽)そう、膝の半分だけを人工関節に置き換える。手術は難しいと言われるんだけども、これのほうが患者さんは術後、すごい自然な感じがする。特に真ん中にある前十字靭帯、後十字靭帯というのは、クロスしてるんですね。足ってグーって伸ばしたら、下腿(かたい)は外側へクルっと回るんです。15~30度くらい。で今度グーって曲げてきますでしょ、ほいだら下腿は、内旋(ないせん)っていって内側に30度くらい回るんですよ。

(小高)カタイ?。

(巽)下腿っていうのは、膝から下のこと。やわらかいちゃう、かたい(笑)。そういうのが、十字靱帯のねじれで起こるわけです。だからこれを残すことで自然な感じがする。で、全置換の多くは真ん中の靱帯切ってしもうてね、患者さんの感覚としては、蝶番(ちょうつがい)みたいな感覚やって言う人がおるわけです。その回旋が起こりにくいから。回旋を起こす筋肉はほかにもいろいろあるんですけど、自然に近い、内側の悪いとこだけを治してるから、神さんのつくった膝に近い状態が再現できる。それが半置換。半分だけ人工関節。

(つボイ)ということはまず、(症状が)軽い方の人はまず半置換で、やるっていうことですか?

(巽)って、学会では言われていたんですけど、(症状が)重い人でも、靱帯が残っていれば、僕は積極的に半置換をやっているんです。なかなかそういうやり方でやってる先生は少ないんですけど。

(つボイ)でもやっぱり負担は少ないので、半置換のほうが良い?

(巽)みんな失敗が怖い、全部取って全置換で機械に入れ替えた方が失敗は少ない。せやけど、患者さんの自然な感じはちょっと損なわれる…っていうところですね。

 

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(小高)ちょっと専門的な言葉も出てきましたけど。

(つボイ)要は可能な限り靱帯を傷つけずに手術することで、患者さんには術後、自然な動きが保たれるということなんですね。

(小高)巽先生は「なるべく患者さんの自然な感覚を損なわないようにしたい」ということで。先生にとっては負担なんですけど難しい手術にも挑戦している、ということでした。来週も引き続きこの全置換術と半置換術についてのお話です。

(小高)今月も「健康のつボ」からプレゼントがありますよ。巽一郎先生の著書『100年足腰』を5名の方にプレゼントします!「100年長持ちする足腰の使い方」「からだの使い方」「食事のとり方」「生きる上での考え方」など、巽先生の経験と知識、考え方が詰まった一冊です。巽先生の著書をご希望の方は、住所・氏名・電話番号、そして『100年足腰』希望とお書きの上、番組のメールフォーム、FAX、はがきでご応募ください。今月分の締め切りは、11月30日・火曜日です。当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。ふるってご応募ください。

(小高)『健康のつボ~ひざ関節痛について~』でした。