CBCラジオ「健康のつボ~前立腺がんについて~」 第3回(令和3年1月20日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、永田大介医師(一宮西病院泌尿器科部長)
(小高)水曜日のこのコーナーは『健康のつボ~前立腺がんについて~』。昨今、日本で罹患数増加が最も著しいと言われているがん、「前立腺がん」について、一宮西病院・泌尿器科部長の永田大介(ながただいすけ)先生にお話を伺っています。罹患数がすごく増えている前立腺がん。でも、早期発見・早期治療で、完治が見込めるがんでもあるということでしたね。
(つボイ)早期発見すれば、5年生存率はほぼ100%と言いますから、やっぱり早い発見とか治療というのは大切なことだと思いますね。
(小高)早期発見で治療法もいろいろあって、その選択肢も広がるということなんですが、完治を目指すなら、やっぱりメインは手術による治療なんだそうです。
(つボイ)ただ手術となりますと全摘ということですので、大丈夫かなこれ尿道も通っておりまして、がんは治るけど生活上の問題はないのかな~とか、色々ね…
(小高)力弱くつボイさんが心配しておりますけども(笑)ほかにも色々、気になることがありそうです。が、まずは前立腺という臓器について、永田先生です。
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(永田)男性にしかない臓器なんですけど、前立腺自体はどこにあるかなっていうと、実は膀胱の下にくっついてて、自転車のサドルをまたいで座ると、ちょうどサドルにあたった体の中が、一番近いのが前立腺、そんなイメージですね。
(つボイ)あんたいっぺんサドルにまたがったらええねん。
(小高)この辺にあるんかな~?(笑)
(永田)役割自体は、精子の栄養を作るところなので、男性が出す精液の大体30%くらいを作っている臓器というふうに言われています。
(小高)いろんなあの辺りって、場所としてもいろんな役割するものが色々あると思うんですけども、腹腔鏡手術!とか言うと、その辺りの他のところまで傷つけちゃいけない!とか、結構デリケートなものなんじゃないんですかね?
(永田)そうですね、前立腺の手術に関して言うと、どこから入ってどういうふうに取ろうかというやり方自体が、1枚の膜を介して4つくらいの道のりがありまして、一番前立腺がんが大きいよっていうふうな方は、申し訳ないけど大きめに取りますよっていう手術の話もしますし。ちょうど前立腺の横にね、男性の勃起神経といわれる「神経血管束」といわれる大切な神経があるんですけど、そこを残すと、男性機能、勃起機能が温存されるんですけど、がんの状況に応じてそれを切らなければいけないような方もいらっしゃるので、手術前に、前立腺を取るときは「男性機能もなくなってしまいますよ」という話はします。
(つボイ)先生の説明を聞いて「嫌や!」っていう人もおるんとちゃいますか?
(永田)これが日本の方はですね、病気と男性機能と(比較すると)、病気の方が勝ってしまうんですね。
(小高)そりゃまあだって、ね。
(つボイ)命あってのものだねって言うことですか?
(永田)そうなんです。
(小高)先生今、日本人の皆さんはって仰いましたけど、外国はそうでもないんですか?
(永田)海外の学会に行くとですね、神経温存をしなければパートナーに訴えられるという感じで。
(小高)そんなところもあるんですか!
(永田)なのでアメリカとかフランスでは、神経温存はしないといけないというふうな。
(つボイ)本人ではなくてパートナーの訴えというのも、一つのあり方となるんですか!
(永田)そうなんです。
(小高)でもそうはいっても、両天秤にかけたら「命」ってなるけど、どうですか?両方助かるなら両方助かりたい?
(つボイ)もちろんね!都合のいいことを言えば、ちゃんとがんを取り除き!そしてパートナーに訴えられることなく!バーンとある!これは都合のいい話ですか?先生。
(永田)早めに見つけて、小さいうちだったら神経温存が可能なので。やはりそれは早く見つけて、手術をして、男性機能も保たれる、それが一番良いですね。
(つボイ)僕もホントにね、ちょっと昔の知識では、もう手術したら全然ダメになるぞと、いう風に思ってましたけども、今はちゃんと温存できるわけですか?
(永田)そうですね、今は温存できる技術っていうのは、ロボットの手術はとても良いんですけど、シンプルな腹腔鏡の手術でも、可能になってきました。
(小高)つボイさん、さっきから気になっていた。そっちの話ばっか心配してるけども(笑)。尿道も通っているわけですよね?
(小高)おしっこの出具合とかそういうのはどうなんですか?
(永田)前立腺を取ってしまうと、膀胱と尿道の解剖学的なものが女性に近くなってくるので、ご高齢の女性で、ちょっとくちゃみしたときに漏れてしまうよなんて方、いらっしゃると思うんですけど、男性も前立腺取っちゃうと、そういうふうな、ちょっと尿失禁ということが起こります。
(つボイ)男も女も同じようなところに向かっていくんや。
(小高)でもそう言った、男性の方々が一番ご心配されている心配も、今のお話だと、早く見つける、早め早めの治療だと。
(永田)それが一番。
(つボイ)そういうことに尽きますね。
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(小高)お国事情っていうのも様々で面白かったですよね。
(つボイ)フランス人っぽいですよね?
(小高)どういうところが(笑)
(つボイ)そういうところが(笑)
(小高)こてこての日本人にしか見えないですけどね(笑)でも今は本当に手術の技術も進んでいますから、患者さんにとっては悩みどころの男性機能というのも、早く治療すれば、残すことができるケース、多いそうですよ!こう聞くと安心ですね、つボイさん。
(つボイ)ほっとしました!なんで大きな声で言わなあかんねん(笑)
(小高)さあ、来週以降も前立腺がんについて教えてもらいます。一宮西病院・泌尿器科部長の永田大介(ながただいすけ)先生でした。『健康のつボ~前立腺がんについて~』でした。
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