CBCラジオ「健康のつボ~ひざ関節痛について~」 第8回(令和3年11月24日放送内容)

CBCラジオ「健康のつボ~ひざ関節痛について~」 第8回(令和3年11月24日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、巽一郎医師(一宮西病院整形外科部長 兼 人工関節センター長)

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(小高)今日からこのコーナーは「健康のつボ~ひざ関節痛について~」。過去の放送の中でも反響の大きかった「ひざ関節痛」について再放送でお送りします。ご出演は、一宮西病院 整形外科部長 兼 人工関節センター センター長の巽一郎(たつみいちろう)先生です!去年の9月から12月にかけて放送した「ひざ関節痛について」の中からお送りしています。

(小高)ここのところ、人工関節手術の話をうかがっています。人工関節の手術は2種類。関節すべてを置き換える「全置換術」と、軟骨のすり減った片側だけを置き換える「半置換術」があるということでした。

(つボイ)中でも半置換術は、切る部分も少なしいし、手術にかかる時間も短いので、患者さんの体への負担は少ない、というお話です。

(小高)今日はさらに!全置換術であれ半置換術であれ、より体に負担をかけないという「低侵襲手術」について伺います。巽先生です。

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(巽)MISっていうんですけど、「ミニマム」=最小の、「インベイジョン」=やっつける、「サージェリー」=手術…っていうんですけど、結局は余計なところを切らんっていうことなんです。

(つボイ)僕らみたいに手術が怖い人間にとっては、諸手を挙げてお願いしたいわ~って思いますけどね。
(巽)でも最初のうちはね、ちっちゃい傷でやってね、よく見えないからよけい時間がかかったりしている、最初の創始期はそうやったんです。特に膝は難しんで、ようけあけんとダメやっていう学会のね、お話もあります。
(つボイ)ようさん開けた方がやりやすいですもんね。
(小高)さっき言ってた人工関節の、悪いところだけ半分でっていうよりは、がばっと全部、はいガシーンの方が、手術的には間違いない。
(巽)そういう先生はいっぱいいます。
(小高)それと同じように低侵襲の手術も患者さんの負担は少なくなるけど、先生の負担は大きい。
(つボイ)だけどもやっぱりだんだん発達してきて、がばっとせんでもええようになってきたわけですよね?
(巽)そこにはね、コンピューターをつこうたりね、要するにまだ切ってない、見えへんところも見えるようにする技術とかね、それはコンピューターアシストっていうんですけどね、術前計画って言って、手術する前に「この後ろにはこれがあるはずや」って、全部僕ら一回、コンピューターの中で手術終わっちゃうんですよ。どの患者さんも。で、メス入れてから切る間は考え事しないで、「この患者さんはこことこことここがポイント」ってわかってやることで早くなって、筋肉を傷つけんと手術できるようになってきてるんです。
(つボイ)筋肉を切ると切らんとではだいぶ違うんですか?
(巽)そうなんですね、筋肉っていうよりも、”筋肉の膜”が大事なんです。「筋膜」ってね、透明な薄っぺらい膜なんですよ。でもそこに血管と神経がいっぱい入ってるんですよ。その筋膜を少し切っただけで、腫れが長いんです。筋膜を全く切らんでできたら、患者さん、術後の腫れがものすごく少ないんですよ。
(つボイ)そうするとやはり、回復も早いということですよね?
(巽)筋肉も力が入るから、早期の筋力が違うんですね。

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(小高)低侵襲手術によって、術後の治りが早い、というのは患者さんにとってありがたいことですね。

(つボイ)テレビでもよく取り上げられる、画期的で、すご技の手術だそうです。

(小高)「全置換術」に、靭帯を切らない「半置換術」、そして筋膜を切らない「低侵襲手術」・・・いろいろな選択肢があるのは、うれしいことです。来週も巽先生に、「ひざ関節痛」に関するお話をうかがいます。

(小高)今日も「健康のつボ」からプレゼントがありますよ。巽一郎先生の著書『100年足腰』を5名の方にプレゼントします!「100年長持ちする足腰の使い方」「からだの使い方」「食事のとり方」「生きる上での考え方」など、巽先生の経験と知識・考え方が詰まった一冊です。巽先生の著書をご希望の方は、住所・氏名・電話番号、そして『100年足腰』希望とお書きの上、番組のメールフォーム、FAX、はがきでご応募ください。今月分の締め切りは、11月30日・火曜日です。当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。ふるってご応募ください。

(小高)『健康のつボ~ひざ関節痛について~』でした。