CBCラジオ「健康のつボ~子どもの病気について~」 第8回(令和5年8月23日放送内容)
出演/つボイノリオさん(タレント)、小高直子さん(アナウンサー)、元野憲作医師(一宮西病院 小児科 部長)
(小高)水曜日のこの時間は「健康のつボ」。風邪やインフルエンザはもとより、急な発熱などで常に心配事が絶えない子どもの病気。特に注意をしなければならない病気を中心に、親ならドキドキしてしまう「子どもの病気」について一宮西病院 小児科部長 元野憲作(もとの けんさく)先生にお話をうかがっています。
(小高)知っていてもビックリする子ども特有の症状に『熱性けいれん』があります。
(つボイ)子どもを持つ親のかなりの方が経験されているんじゃないですか?
(小高)発熱時に起こる一過性のものだと言われていますが、知ってても始めて経験すると結構派手な症状なんで、びっくりしてオロオロしてしちゃうんですよね~。
『熱性けいれん』について、元野先生に教えていただきます。
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(元野)多分すごくびっくりされると思います。
(つボイ)先生『ひきつけ』ってのと同じですか?
(元野)おっしゃる通りで、同じですね。
(つボイ)ありゃ~びっくりしますよ。
(小高)具体的には改めてどんな症状なんでしょうか?
(元野)様々あるんですけども、例えば目の焦点が合わなくなってしまったり。
(小高)白目むいてね。けいれん起こすような感じだから。
(元野)そうですね、呼びかけても反応しなくなりますし、手足がピーンと伸びたり、ガクガクガクと動き始めたりと、普段の様子と全く違う状態にお子さんがなりますので。まぁ慌てても仕方がないのかなと思いますね。
(つボイ)どうしたらいですか先生、親は。
(元野)しかしこういう時でも慌てずに。難しいんですけど、慌てずにまず観察が必要なんですけども。
(小高)よく書かれてたり言われるのは、すごく症状は派手なんだけれども、ほとんどの場合はそんなに心配する必要のない一時的な症状ですよっていうのが書いてあるんですよ。これって本当ですか?
(元野)実はそれ事実ですね。『けいれん』っていうのもいろいろなタイプがあるんですけれども、 熱性けいれんの場合、救急車を使われても自分の車で来られても、病院に着いた頃には止まっていることが多いんですよね。俗に言う『熱性けいれん』というのは字のごとく、熱が出ている時にけいれんするというものなんですけど。
(小高)風邪で熱が出てたりとかそういうことですか?
(元野)そうですね。けいれんが先のこともあれば、熱が出てけいれんすることもあるんですけども、結果最終的に熱が出ていれば『有熱時けいれん』と言って熱性けいれんに含みますね。
(つボイ)ということは先生、熱が出ないけいれんもあるということですか?
(元野)おっしゃる通りで、僕らはそこを大事にしてまして、大体熱性けいれんは起こる年齢が決ってまして、脳がまだまだ発達段階にある生後6か月から6歳が起こしやすい年齢と言われていますね。例えばですけど、起こりやすいその年齢にあって、熱があって、左右対称全身性のけいれん、右半分だけとか左半分だけとかではない全身性のけいれんが起きているという場合。あとけいれんの時間が15分以内に止まっていること。そしてけいれん後の意識の戻りも良くて、けいれんが繰り返し起こらない。これが全部揃ってくると熱性けいれんの中でも『単純型熱性けいれん』と言いまして、ほとんど心配はないものになりますね。
(小高)そうすると、そうではないやつ!
(元野)そうではないものが、他に何か病気がないか調べたほうがいいんじゃないかなって話になってきます。例えばさっきおっしゃられた熱がないけいれんっていうのは、熱がなくてもけいれんする何かがないかなってことで、脳波を取ったりとかMRIを撮らせてもらってけいれんする原因がないのか調べたりすることはありますね。
(小高)さっき言ってた、全身ではない右半身とか左半身とか一部って場合も気を付けなくてはいけないってことですか?
(元野)そうですね。例えば右手はピーンと伸びているのに左は曲げてるとか、足だけがガクガクしているとか、そういった手足がバランスの悪いけいれんをされてるような場合は、『複雑型』という風に割り振って、『てんかん』という病気聞かれたことありますかね。
(小高)はいはい。